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【ブラック人事】第五話 変わるマネジメント

郷田の発言に驚きつつも、前職は転職エージェントだった僕。
人がメシの種だった事は事実なので、一旦は飲み込む事にした。


スケジューラを確認する。

≪16:30-17:30 来客 ヒューマンフォースジャパン≫

今から静谷は来客対応のようだ。

静谷の姿を探すも、デスク付近には見当たらない。
常に5分前行動か。精密機械のような人だ。

「いけねぇ、時間だ。」


郷田も同席の予定だったようだ。
2人して受付へ急いだ。


静谷を発見し、声を掛ける。

『静谷さん、打ち合わせの趣旨を教えて頂きたいのですが。』

「ああ。来るのは人材紹介会社の営業。

 目的は、最近採用者が出たからその御礼と、
 今後の採用計画のヒアリング。
 向こうからの申し入れだよな?」

静谷が郷田に振る。

「そうっすね。」

「1人採用が決まったからご挨拶ねぇ。
 こっちとしてはもっと人を寄越せと言いたいんだがな。」

静谷のコメントの切れ味が鋭い。


どうやら今からの打ち合わせは、これまで僕がやってきた営業の裏側のようだ。
顧客としての立場で営業に会う場。



           ***



やって来たのは30代半ばくらいの中堅クラスの営業。
応接室へ入り、名刺交換を済ませた。


「今般はご成約、誠に有難う御座いました。」

「いえいえ、こちらこそ良い方をご紹介頂けましてね…ごにょごにょ

郷田の話し方は業者の前でも変わらない。


場が意味のない愛想笑いで満ちた頃に静谷が切り出した。

「で、今後という所なんですが。
 弊社としては来期は月15人の採用を予定したいと考えています。」

「じゅ、15名ですか!?」

営業の目が輝いた。
静谷は意に介さないといった体で続ける。

「どうですか?
 可能なら全て御社にお任せしてもいいんですが?」

魅力的な誘い。

「そうですね…

 現状、御社がお探しの20~30代のエンジニア・コンサルタントはかなり腰が重いです。
 御社の求められるスペック感に合わせるとなると、大手SIerやファーム、総研系のキャリアの持ち主に
 アプローチする必要がありまして…」

だが、営業の返答は慎重だ。


「要は、その方々をどうやって弊社に応募させるかという話になるわけですね?」

静谷が要旨を探った。

「はい。
 しかしながら、弊社は企業担当の営業と求職者担当のカウンセラーを分業体制で布いておるものですから、
 まだまだ御社の情報の周知が徹底できていない状況で…」


何だかグダグダ前置きの長い話し方だな、と思うところへ更に静谷が切り込んだ。


「結論、我々としては何をすればいいんですか?」  

「あ、はい。
 カウンセラー向けの企業説明会を開催して頂きたいです。」

「わかりました。それで候補者は集まるんですね?」

少しビクついた相手へ、言質を取るような物言い。
静谷の会話のパターンなのだろうか。

尚も営業の歯切れは悪い。

「え…いや、あとはですね。

 御社特有の技術なり、企業としての魅力などをまとめた情報を頂きたいです。
 できれば紙一枚でまとまる形で用意して頂いて…」

『(はぁ?何言ってんだこの人?)』

僕が疑問に表情を崩しそうになったところへ、ここまで空気だった郷田が口を開く。

「ん。ん。ではそれは私からお送りしま…ごにょごにょ。」



           ***



打ち合わせ後、デスクに向かう廊下を歩く。
静谷が口を開いた。

「…郷田。」

「はい??」

「さっきの情報がなんたらって、何でお前が請けた?」

『(あ…俺が疑問に思ったのと同じだ…)』


郷田はまだ静谷の追求の意味がわかっていない。

「え?へ??」

「だからさ、『御社の魅力を~』とか言ってたけど、
 それを調査してまとめるのはあっちの業者の仕事じゃないの?」

「あ、いや、ま、それは、、、」

だんだんと焦る郷田。

「お前、舐められてんだよ。業者に。
  
 お前に情報作らせて、それをエサに人集めてその内何人か当たればいいか~って。
 それじゃあいつら必死になんねーだろうが!!」

静谷がキレた。


「え、あ、い、う。。。」


大丈夫か郷田、母音しか発音できてないぞ。


言い方は別として、静谷の言い分は正しかった。
元同業だった自分から見ても、担当する企業の魅力の調査、
それらを社内へ発信・共有するのは営業の基本タスクの範囲内だ。

あの営業の言い種だと
【とりあえず人を集めたいから魅力をまとめてご自分でプレゼンして下さい。】
と、丸投げされているに等しい。


静谷の追いうちは止まらない。

「郷田。   
 お前さ、前々から『自分は業者との関係性を活かす』とか言ってるよな?」

「は、はい。」

「今まではキツく言って業者を動かすのはお前のやり方じゃないと目を瞑ってきた。

 でもその結果馴れ合って、挙句舐められてんじゃどうしようもねぇよ。
 とりあえずこれからこの辺り詰めてくから。」


「…。」




郷田の沈黙で話は終わった。
それにしても静谷のこのアプローチ、役員会で語った施策の通りである。

--------------------------------
『今までは自分が甘すぎた。徹底的に詰める。必死さを生む。』
--------------------------------

郷田にしてみればいきなりの方針転換に戸惑ったやり取りだっただろう。



           ***



≪17:45~19:00 MTG 諸々レクチャー≫


次のスケジュールは静谷とのミーティング。
諸々レクチャーとは、ようやく業務内容を理解できるかも知れない。

自社の企業情報等の資料を準備し、静谷の前に座った。



「調子はどうだ?」

『いろいろ勉強させて頂いて、これからという感じです。』

「そうか。
 今からウチで生きる上でのルールを教えるから。」

『はい。お願いします。』

「まず大前提。
 というか、これ一つでほとんど解決なんだけど。


 金を稼ぐ事だけ考えろ。
 その為なら別に何やってもいいから。例えグレーでもね。」


『え…』



内定通知書を確認したかった。
僕は人事職として採用されたはずだ。



【現在時刻 17:56】


【登場人物】※全て仮名。年齢・プロフィール等はフィクションです。


僕 :26歳。20代にして2度の転職歴を持つ。
   初めての人事職に期待を持ち、中途入社してきた。

中川:27歳。労務部勤務。
   マニュアル対応の際にセリフが極めて棒読みになる。
   若干オドオドしており、目を見て話さない。

静谷:29歳。イケメン。上智大卒。
   20代だが社歴はかなり古参で、人事実務を統括するマネージャー。
   僕の直属上司。質問をすると必ず結論から答える。

湯川:43歳。セレブ。慶応大卒。
   創業者にして代表取締役社長。
   見た目はおとなしそうで、社長特有のオーラは感じられない。

志垣:38歳。一見カタギではない。学歴不明。
   創業メンバーで、現在は営業を統括する社のナンバー2。
   初対面こそ衝撃的だが、NGワードさえ踏まなければ意外に絡みやすい。

西野:35歳。人事領域担当役員。国際基督教大学卒。
   32歳の時に自社に役員待遇で引き抜かれた敏腕コンサル。
   沈着冷静。必要な時以外は滅多に口を開かない。

郷田:28歳。リストラ候補の人事部員。学歴不明。
   前職は健康食品販売会社営業。彼もまた転職者だった。
   自社には営業職として入社するも、1ヶ月で人事に左遷された伝説を持つ。

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元転職業界人であり、就活時代は面接200社経験しました。

転職活動は都度2回経験、こちらも延べ100社超に挑戦。
圧倒的な物量の中、見えてきた法則を発信しています。

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